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ヒト幹細胞って効果ありそうだけど、デメリットや副作用について知っておく必要があるかも…?
アンチエイジング成分として今注目の「ヒト幹細胞培養液」ですが、メリットばかりが先行してデメリットを知らずに使っても感染や副作用などの心配はないのでしょうか?
ヒト幹細胞と幹細胞培養液の違い、そしてその効果や副作用について詳しく見てきましょう!
ヒト幹細胞とは?
幹細胞とは、自身を分裂して増やす能力(自己複製能力)と、身体にある他の様々な細胞に変化する能力(分化能力)の2つを有した特殊な細胞のことをいいます。
身体が怪我をしたり病気をした際、細胞もダメージを受けたり死滅したりしてしまいますが、幹細胞が分化しその細胞の代わりを担ってくれるとても大切な細胞です。
幹細胞には植物幹細胞と動物幹細胞、そしてヒト幹細胞があります。ヒト幹細胞とは文字通り人の幹細胞ということです。
コストが最も安いのは植物幹細胞ですが、最も効果が高いのはヒト幹細胞になります。
再生医療で注目されるヒト幹細胞
人には元々怪我や病気に対する事前治癒力が備わっていて、ヒト幹細胞はその人間の再生能力を促したり補助する役割があります。このような怪我や病気、寿命により死滅した細胞を他の細胞で補うことを再生医療といいます。
再生を促すヒト幹細胞には、ES細胞・IPS細胞・体性幹細胞の3種類があり、その中で再生医療で注目され臨床が進んでいるのは体性幹細胞になります。
詳しくは割愛しますが、ES細胞とIPS細胞よりも脂肪由来の体性幹細胞が最も培養しやすく高い安全性を持ち、倫理的な問題も無くガン化しにくいという数多いメリットがあります。
脂肪由来の体性幹細胞は今正に再生医療の最先端を進み、医療での本格的な実用を目指して研究や臨床が盛んに実施されている最中といった所です。
幹細胞培養液エキスとは?
美容の世界では幹細胞をそのまま化粧水や化粧品に配合して使うのではなく、幹細胞を培養する際に分泌される「幹細胞培養液エキス」を使用します。
この幹細胞を培養した際に分泌される培養液エキスには細胞の増殖や分化を促進する成長因子やサイトカインなどの生理活性物質を始めとする500種類を超えるタンパク質が含まれており、この成長因子やサイトカインなどの生理活性物質が細胞と結合することで細胞が活性化(増殖や分化)します。
この幹細胞培養液エキスを利用することにより、シワやたるみなどといったアンチエイジングの悩みにも細胞レベルでアプローチをかけることが可能になりました。
化粧品に使用されている「ヒト脂肪細胞順化培養液エキス」とは?
美容化粧品に利用されるのは主にヒトの脂肪幹細胞を培養した際に分泌される培養液エキスで、幹細胞そのものを化粧水などの美容化粧品に配合している訳ではありません。
またこの培養液エキスのことを、日本化粧品工業連合会により「ヒト脂肪細胞順化培養液エキス」と名付けられています。
化粧品の成分表示名称リストより「ヒト脂肪細胞順化培養液エキス」を検索。
出典:日本化粧品工業連合会
今まで骨髄液から抽出される幹細胞を培養していたのですが、皮膚の皮下脂肪からも同様の性質を持つ幹細胞が抽出可能なことが近年判明し手軽に採取出来ることから、美容化粧品に使われる幹細胞培養液エキスは主にヒトの脂肪から抽出したものが使用されています。
ヒト幹細胞培養液エキスの効果
ヒト脂肪細胞順化培養液エキス(以下:ヒト幹細胞培養液)は2014年に厚生労働省によって認可され、これ以降多くの美容液や化粧水などの美容化粧品に取り入れられて今日に至ります。
ヒト幹細胞培養液が、ターンオーバーを促す「表皮幹細胞」やコラーゲン・ヒアルロン酸・エラスチンを生成する線維芽細胞を生成する「真皮幹細胞」を活性化し、以下のような美容効果が期待出来ます。
ヒト幹細胞培養液を配合した美容化粧品(美容液や化粧水)は、単に不足成分を補うだけの今までの化粧品(守りのケア)と違い細胞レベルでの活性化を行うための「攻めのケア」と言えます。
ヒト幹細胞培養液を使ったスキンケア
アンチエイジングのためのスキンケアでヒト幹細胞培養液が効果があることが分かりました。
今では化粧水や乳液、美容液やクリーム・バーム、パックやファンデーションまで様々なスキンケアグッズにヒト幹細胞培養液が配合されて販売されています。
美容液であれば洗顔後最初に塗ることで浸透力を高めることが出来ますし、クリームやバームなど油性成分の化粧品であれば通常通り最後に塗ることで水分の蒸発を防ぎつつ幹細胞培養液エキスでのスキンケアが可能になります。
またオールインワンゲルタイプは、洗顔後さっと一塗りするだけで手間も省けて使いやすいので人気です d(^^*)
ヒト幹細胞培養液を使ったエステ
エステでのヒト幹細胞培養液フェイシャルでは、通常のディープクレンジングやフェイシャルマッサージなどの施術に加え、ヒト幹細胞培養液エキスを含有した化粧水や美容液、パックなどでトリートメントしていきます。エステによっては専用の機械でヒト幹細胞培養液エキスを肌へ浸透させていくところもあります。
エステでの施術は専門知識をもったエステティシャンが他の施術と掛け合わせて効果を最大限に引き出してくれるサポートをしてくれますし、何と言っても寛ぎの空間でリラックスしながら施術を受けられるのもメリットです。
細胞レベルでのアンチエイジングとなりますので通常のエステコースよりも効果が期待出来る反面、通常コースよりも費用が高くなる(一般的に1万~5万前後)というデメリットもあります。
またヒト幹細胞培養液を利用したエステは今後も更に増えていくと予想されますが、ヒト幹細胞培養液の濃度や品質などの問題もありますので、現時点では信頼のあるエステを選ぶ方が無難と言えそうです。
ヒト幹細胞培養液のデメリットと副作用
メリットばかりが先行するヒト幹細胞ですが、デメリットと副作用についても勉強しておきましょう。
ヒト幹細胞培養液のデメリット
幹細胞には植物幹細胞、動物幹細胞、ヒト幹細胞と種類があることはヒト幹細胞とは?の章で説明しました。
ヒト幹細胞が成長因子を多く含み最も効果的でありますが、その反面費用が高くなるというデメリットがあります。
また強いてデメリットとして挙げるならば、ヒト幹細胞培養液エキスの効果で触れた通り、2014年に厚生労働省によって認可され一般的にに広く普及しだしてからまださほど年数が経過してなく、現在も幹細胞を用いた再生医療・細胞治療の研究や臨床試験が世界中で活発に実施されている点があります。
しかし美容化粧品に使われるヒト幹細胞培養液は、ヒト幹細胞自体を使用する訳ではなく培養液であることと、GMPと呼ばれる安全性や製造管理・品質管理には厳しい基準が設けられておりこれをクリアすることで実用化されていますので問題はありません。
ヒト幹細胞培養液に限ったことではありませんが、効果を実感するにはどうしても個人差があります。
臨床結果に基づきその効果を立証してはいますが、1回で大きな効果を実感出来る人もいれば数週間~数ヶ月必要な人もいるでしょうし、中にはほとんど効果を実感できない人もいるでしょう。
また、ヒト幹細胞培養液以外に配合されている成分との相性ということもあるでしょう。
とはいえヒト幹細胞培養液は最新のスキンケアですので、是非取り入れて試してみたい化粧品ですね!
ヒト幹細胞培養液の副作用
ヒトの皮下脂肪から抽出した幹細胞を培養して採取する培養液エキス。本当に副作用はないのでしょうか?
ヒト幹細胞培養液には幹細胞自体は入っておらず、幹細胞を培養する際に分泌される培養液です。幹細胞自体はまだまだ研究途中であり現段階では副作用も懸念が払拭しきれませんが、培養液自体には副作用はないとされています。
ヒトから採取されたヒト由来幹細胞培養液エキスは植物由来や動物由来のものよりも適合率が高く、副作用や拒絶反応のリスクが低くなります。
また、ヒト幹細胞培養液エキスを配合した国内の化粧品は、「製造管理/品質管理の基準であるGMP」や「研究所/試験所の基準であるGLP」など厳しい管理基準をクリアしており、ドナー自体の適合性はもちろん、幹細胞自体やウィルス・病原菌が混じることのないよう何度もスクリーニングが実施され安全管理が徹底されています。
副作用はないとされていますが、人によってはアレルギー反応を起こす可能性がないとも言い切れません。
ヒト幹細胞培養液エキスの安全性や臨床試験は十分に実施されていますが、他の成分に対するアレルギー反応も可能性としてはありますので、化粧品を使用する前にはパッチテストを行うなど個人でのリスク管理は行いましょう。
ヒト幹細胞培養液 Q&A
他の人の細胞や遺伝子、DNAが体内に入ったりしないの?
幹細胞を肌に浸透させると聞くと、他の人の細胞や遺伝子、DNAが体内に入ってしまい何か影響が及ぶんじゃないかと少し心配になってしまいますが、ヒト幹細胞培養液はあくまでもヒト幹細胞を培養する際に分泌される培養液であり幹細胞自体は入っていません。
その為、質問のような問題は発生しませんので安心して使用できます。
ドナーの病気やウィルスに感染したりしないの?
ヒト脂肪由来の幹細胞を培養して抽出する培養液エキスですが、そのドナーに病気や遺伝子異常がないか適合性を入念にチェックします。
また厚生労働省で認可されているヒト幹細胞は、「製造管理/品質管理の基準であるGMP」や「研究所/試験所の基準であるGLP」など厳しい管理基準をクリアしており、幹細胞自体やウィルス・病原菌が混じることのないよう何度もスクリーニングが実施され安全管理が徹底されていますので安心して使用できます。
シミやくすみに効果があるの?
シミやくすみを改善するためにはターンオーバーの正常化が欠かせません。ヒト幹細胞培養液エキスに含有されている成長因子が表皮細胞を増産させ、細胞分裂を活性化しターンオーバーの周期を早め正常サイクルへ近づけます。
このターンオーバー正常化によりシミやくすみに効果があると考えれらています。
シワやたるみに効果があるの?
シワやたるみの原因は真皮層にあるコラーゲンやヒアルロン酸、エラスチンの減少です。
ヒト幹細胞培養液エキスがこれらを生成する工場である線維芽細胞を増産し、コラーゲンやヒアルロン酸、エラスチンを生成します。
コラーゲンやヒアルロン酸、エラスチン量が増えることで、真皮層からピンとハリのある肌へ導く効果があります。
ほうれい線に効果があるの?
ほうれい線はシワと勘違いされがちですが、頬のたるみによって引き起こされる現象です。
従って、上項「シワやたるみに効果があるの?」と同様にコラーゲンやヒアルロン酸、エラスチンの量を増加させることにより改善効果が期待出来ます。
ニキビ跡に効果があるの?
上記のようにニキビ跡には2つのタイプがありますが、ヒト幹細胞培養液エキスの「ターンオーバー正常化」効果や「真皮層のコラーゲン、ヒアルロン酸、エラスチンの増加」効果により、これらニキビ跡の改善が期待出来ます。
よく耳にするEGFやFGFとは何のこと?
ヒト脂肪由来幹細胞培養液には、150種類を超える成長因子(グロースファクター)が含まれています。
成長因子とは
成長因子とは、特定の細胞に結びつきその細胞の増殖や分化を促すタンパク質で別名「細胞増殖因子」などとも呼ばれます。この成長因子は種類が多く存在するのですが、その中でヒト脂肪由来幹細胞培養液に含まれる成長因子として有名な因子がEGFやFGFです。
EGFやFGFの「GF」は成長因子(グロースファクター)を英語表記した「growth factor」の略からきています。成長因子には他にもTGFやIGF、KGF、PDGFなど様々な種類があります。
EGF、FGFとは
EGF(epidermal growth factor)は表皮細胞成長因子(上皮細胞成長因子)と呼ばれ、表皮幹細胞に働きかけ表皮細胞を増産しターンオーバーを促進します。
FGF(fibroblast growth factor)は線維芽細胞成長因子と呼ばれ、真皮幹細胞に働きかけ線維芽細胞を増産しコラーゲンやヒアルロン酸、エラスチンを生成します。
ヒト脂肪由来幹細胞培養液には、EGFやFGFのような多くの成長因子が含有されており、それぞれが様々な細胞の増殖や分化の活性化させてくれます。
ヒト幹細胞培養液の選び方
幹細胞培養液エキス配合化粧品の選び方ですが、まずは植物由来や動物由来ではなく、成長因子やタンパク質を豊富に含み最も高い効果が見込まれるヒト由来のものを選びましょう。
また極端に安価なものは品質を疑うべきです。厚生労働省で認可されているものが極端な安価で出回ることはありません。どこの国のドナーなのか、GMP/GLPによる安全管理基準に準拠しているのかが確認出来ればベターです。
今やヒト幹細胞培養液が配合された化粧品は、クレンジングや洗顔、化粧水、クリーム・バーム、パックやファンデーションまで多くの種類が販売されています。
その中でも美容液が比較的配合量が多い傾向にありますが、使いやすさからオールインワンゲルタイプの化粧品も人気があります。